この本はほんと手に取って良かったです。おすすめポイント以下の3つです。
1.写真が綺麗
なんといっても写真がきれいです。採取用のきのこの本とは違って、そのきのこが可愛く見えるアングルにひたすらこだわっています。サンコタケなんか、斜めに迫ってくるようなアングルなのですが、あまりこうしたアングルは見たことがなく、そういう解釈でこのきのこは見るのか、とページをめくるのが楽しかったです。
2.レイアウトがさっぱりしていて読みやすい
余白を活かしたレイアウトも、写真や文字がさらっと目に入ってきて、押し付けがましくないです。
きのこの名前が丸ゴシック系のフォントでしかも縦書きなのが、個人的にグッときました。適度な距離のある親しみ、みたいなものを感じやすい効果があるのでは。デザイナーの方が良い仕事してます。きのこの本で、こういうレイアウトはあまり見たことがありません。
3.コピーが良い
きのこの名前の肩に、コピーがつくんですよ。
たとえばツルタケでしたら「美しき森のバレリーナ」とか、ワカクサタケだったら「林のエメラルド」とか。にわかな自分のような、まだきのこに詳しくない人も想像をしやすく、写真と名前とコピーを見ると、何か個々のバックグラウンドを感じられるような、そんな気がしてきます。
総合的に、満足です。
後半のきのこの豆知識みたいな文もおもしろいです。「きのこって面白いんだよ」と思っている方が、友人知人に共感してもらいたいときにすすめる本としてグッドだと思いました。
ちょっと距離のある電車旅行なんかで、お弁当も食べ終わったし、予定の駅までまだあるし、眠くないし……というときにこの本をひらいて、写真脇の解説なんか読んだら、良い時間を味わえそうです。
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